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?F1ジャーナリストのフォトダイアリー

これはモナコ駅の写真。以前は地上にあったのですが、渋滞対策と言うことで、トンネルを作って、その中に新駅ができました。地下鉄というわけではなく、フランスの鉄道が通っています（TGVも走る!）。モナコの駅はこの駅だけなので、モナコという国の名前と、一番大きなモンテカルロという街の名前が併記されています。「モナコ公国のモンテカルロ駅ですよ」という意味ですね。だから、よくモナコの首都がモンテカルロだと勘違いしている人がいますが、首都はモナコであり、そこに王宮があります

「モナコでの1勝は、ほかのグランプリの3勝分の価値がある」という言葉がレース界にあるが、それはレースドライバーだけでなく、一般の人にも当てはまる言葉だろうか。「モナコGPはほかのグランプリの3つ分の価値はある」と。少なくとも、ボクはそう思う。だから、モナコGPにひとり50万円ぐらいの観戦ツアーで来たとしても、決して高くはないと思うし、数百万円出してクルーザーを借りて、1週間寝泊まりしたっていいと思う。確かにグランプリ期間中のモナコはすべてがグランプリ料金となり、サンドイッチが5ユーロもするなど、ちょっと頭に来ることがないわけではないが、それを差し引いてもおつりが来るくらいモナコは魅力的な街だ何が魅力的かといえば、それは遭遇するすべての場景である。まるで絵葉書を連続で!
見ている錯覚に陥るほど、街自体が眩しいのである。だから、毎年多くの観光客が近隣諸国からやってくる。場内中継もそれに合わせて、モナコの公用語であるフランス語だけでなく、英語とイタリア語でもアナウンスされる。そんなグランプリはモナコだけだ。ほかのグランプリ、例えばイタリアGPなら、観客のほとんどはイタリア人となる。ところが、モナコの場合、観客の国籍はさまざまでドイツ国旗を持ってM?シューマッハを応援する者や、スペイン国旗をかざしてアロンソに声援を送ったりと、いずれかの国籍に偏らずにいろんなタイプの応援団が存在している。まるでF1のオリンピックみたいな雰囲気である空と海のブルーと王宮の外壁の影のコントラストがきれいだったので、絞り優先で撮ってみました。グランプリに�!
��ると、このように大きな客船だけでなく、近!
くに�
�るヘリポートにプライベートジェットが次々とモナコにやってきます

そして、その美しい街並みを縫うように走るF1マシンが、また美しい。モナコGPは、フランスのルマン24時間レースやアメリカで行われているインディ500レースとともに、世界3大レースのひとつに数えられているが、ほかの2つのレースがクローズド?サーキット、いわゆる常設のサーキットで行われているのに対して、F1モナコGPの舞台は市街地コース。それがたまらない。通常は絵にならないフェンスやガードレールまでもが、絵になるのだから不思議であるモナコの魅力を感じることができるのは、何も視覚だけではない。聴覚や触覚で、ほかのグランプリにはない迫力をコースサイドにいると、享受することができる。例えば、モナコは全開率が18戦中もっとも低いサーキットなので、アクセルの「オン」と「オフ」がはっきりと�!
�かるコーナーがいくつかある。そのエキゾースト音を聞くだけで、ドライバーの表情は見えなくても、気持ちが伝わってくるところが好きだここは「マッセンネ」と呼ばれる中速コーナーで、コース左側にはこのように有名ブティックがずらりと並んでいます。中速コーナーなので、プログラムモードで普通に撮るとスピード感が出ないため、シャッタースピード優先でF1マシンのみ流してみました。お店はエルメスにしようかグッチにしようか迷ったあげく、ボクはグッチにしました。もちろん、買い物ではなく、撮影ポイントです

それとビルに囲まれたモナコでは、音は耳（当然、耳栓をしている）からではなく、肌を震わせる激しい反射音で感じることができる。特にボクが一番好きなトンネルの中では、最高速が出るポイントということもあって、振動は肌を通り抜けて、腹の底にズシリと響くのである。だから、何周かトンネルの中にいると、おなかがかゆくなる。さらにプール?サイド?シケインではタイヤ?カス（モナコで使用されるタイヤは超ソフトコンパウンドなので、表面のゴムが消しゴムのカスのように擦り取られる）がコースサイドに飛んでくる。写真を撮らないのであれば、ゴーグルでもしていたいくらいの数のタイヤ?カスがピシッ、ピシッと顔に当たるので、レースが終わったばかりのカメラマンの顔には必ずひとつか二つはタイヤ?カスが!
汗に混じってへばりついているF1マシンの両脇に見える黒いつぶつぶがタイヤ?カス。消しゴムのカスみたいな小さな物から、ミミズ大の大物までいろいろあります。ここはプール?サイド?シケインの入口の高速コーナーなので、タイヤへの加重が大きく、特にタイヤ?カスが多く出るところ。こうして見ると、狭く曲がりくねったうえに、走行ラインは1本しかないモナコでのオーバーテイクは、本当に難しいということがわかります

食べ物もおいしいし、一流ブランド店もズラリと並んでいるし、遊ぶところも昼間はビーチ、夜はカジノと困らない。もし、モナコで困ることがあるとすれば、それはこの地上の楽園に足を踏み入れてしまったこと。ほかのグランプリへは、もう行けない（生きたい気分にならない）ことである。だから、ボクは一般の方々にはいつもこう言うのである。